加藤元内閣参与、NHKの軍艦島番組問題「映像が島民の人権傷つけた」

【産経新聞】

“負の遺産”軍艦島はNHKの捏造から始まった

 加藤康子元内閣官房参与は22日、長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)の坑内作業の様子を報じたNHK番組をめぐり元島民が事実と異なるとして検証を求めている問題について国会内で講演し、「NHKの映像がなければ、ここまで島民の人権が傷つけられることはなかった」と述べた。

 昭和30年放送のNHK番組「緑なき島」は、炭坑作業者がふんどし姿で坑道をかがんで進む映像を報じている。映像は、戦時中の「強制連行」被害を報じる韓国メディアにたびたび引用され、戦時動員した日本の加害性を訴える韓国・釜山の「国立日帝強制動員歴史館」でも展示された。

 一方、加藤氏らの調べにより、NHK映像は作業員のヘルメットに照明灯が装着されていないなど複数の点で、元島民の証言や当時の坑内規則と食い違うことが明らかになった。NHK側は元島民の問い合わせに「当時の端島における取材に基づき、制作・放送された」と回答している。

 加藤氏は会合で、「事実無根の話がNHKの捏造(ねつぞう)映像があるがために、独り歩きして既成事実化している」と指摘。「元島民は故郷を汚され、加害者扱いされている。端島で暮らしていたことを(外部に向かって)言えない人もいる。(朝鮮半島出身者と)仲良く一緒に暮らしていたのに、なんでここまで言われないといけないのかと思っている島民は多い」と述べた。

 会合は自民党の稲田朋美元防衛相が共同代表を務める議員連盟「女性議員飛躍の会」が主催し、約20人の議員が出席した。会合後、稲田氏は記者団に「いわゆる徴用工問題で、日本のメディアが真摯(しんし)に向き合わないことは問題だ。自民党の組織や議連などで追及していきたい」と語った。

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