中国全人代、香港「国家安全法」制定方針を採択-日米台は懸念

【Bloomberg】2020年5月28日 16:32 JST

  • 「深く憂慮」すると菅官房長官-台湾は香港市民の意見を無視と批判
  • 中国は政府転覆や分離、テロ、外国の介入を禁じる法の詳細策定へ
Demonstrators raise their hands to gesture the "Five demands, not one less" protest motto in the Central district during a protest in Hong Kong, China, on Wednesday, May 27, 2020. 
Demonstrators raise their hands to gesture the “Five demands, not one less” protest motto in the Central district during a protest in Hong Kong, China, on Wednesday, May 27, 2020.  Photographer: Roy Liu/Bloomberg

中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は28日、香港の「国家安全法」を制定する方針を採択した。香港の基本的自由を制限すると民主派が主張しているこの措置を巡り、トランプ米大統領は導入をやめるよう中国に求めていた。

  採決は賛成2878票、反対1票、棄権6票だった。全人代はこの日閉幕し、李克強首相が記者会見した。

中国、政府の重要課題達成なら2020年のプラス成長可能-李首相

  中国当局は今後数カ月をかけ、政府転覆や分離、テロ、外国の介入などを禁じる法の詳細を策定する。香港の立法会(議会)を通さない法制定の動きは民主派活動家や野党議員を警戒させ、抗議行動が激化するリスクがある。

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香港「国家安全法」の採決(全人代、5月28日)

米政府、香港の自治失われたと公式判断-貿易優遇に影響の恐れ

  ポンペオ米国務長官は27日、「香港が中国から高度な自治を維持しているとは断言できない」とする声明を発表。米国では昨年、香港に高度な自治を認めた「一国二制度」が守られているかどうか政府に毎年検証を求める「香港人権・民主主義法」が成立し、ポンペオ長官の発表は同法に基づいて行われた。

トランプ米大統領に難題-香港巡る対中制裁、貿易合意崩壊のリスクも

  台湾の大陸委員会は28日、全人代の決定は香港市民の意見を無視したもので、香港の民主的自由および法の支配を著しく損なうとの声明をウェブサイトに掲載した。

  菅義偉官房長官は同日の記者会見で、国際社会や香港市民が強く懸念する中で議決されたことと、関連する香港情勢を深く憂慮すると述べた。香港は極めて重要なパートナーであり一国二制度の下で民主的、安定的に発展していくことが重要というのが日本政府の一貫した方針だと説明。中国側に日本の方針を伝達し、引き続き状況を注視し、関係国と連携して適切に対応すると語った。

習主席国賓訪日、状況全体見ながら日中間で意思疎通-菅官房長官

Hong Kong Protests Against The National Security Law and National Anthem Bill
拘束される香港デモ参加者(5月27日)

  国家安全法制定で中国を支持していた香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は28日、全人代の採択を歓迎するとの声明を出した。「香港市民の合法的な権利と自由を妨げるものではない」とし、「一国二制度の下での安定的で安全な社会は事業と投資に有利な環境を提供し、将来の香港のより良い発展に寄与する」との考えを示した。

国家安全法の早期制定に向けて中国と全面協力-香港行政長官

  香港は1997年、高度な自治を50年間保障する一国二制度の下で英国から中国に返還された。同制度を骨抜きにするとみられる国家安全法の制定は、トランプ政権による広範な行動のきっかけとなり得る。中国高官への制裁に加え、香港の世界的な金融ハブとしての地位を脅かしかねない優遇措置の見直しにトランプ大統領が踏み込む可能性も取り沙汰されている。

トランプ政権は制裁発動を-国家安全法巡り一部の香港民主派が求める

原題:China Approves Hong Kong Security Legislation, Defying Trump、Taiwan Condemns China’s Approval of Security Law for Hong Kong(抜粋)

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