宮崎正弘の国際ニュース早読み

By hadmin

『宮崎正弘の国際ニュース早読み』

これはどう客観的にみても、断末魔ではないのか?
海航集団、香港の一等地をヘンダーソンランドに売却
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 最新の中国国家統計局公表の数字に拠れば、中国の「ジニ係数」は0・467である。
つまり中国の富の半分近くが僅か1%の特権階級によって独占されている衝撃的データであり、中国政府がおおやけにこれを認めたということである。
ついでながら、この数字は控えめなもので、本当は0・6という統計が複数の大学シンクタンクから提出されている。

一般概論として、ジニ係数が0・4を超えると、内乱か反政府活動が本格化すると言われる。
中国の治安対策費は国防費よりも多額であり、そのうえ防犯カメラを全土津々浦々に設置し、あげくにはビッグデータで国民ひとりひとりを監視しているため、反政府活動はしづらい。けれども国民の憤怒が爆発し、ローンウルフ型テロ行為が頻発している。
習近平独裁体制は、「デジタル・レーニン主義」という譬喩が世界の常識化している。

さて、中国のトップ企業が軒並み資金難に陥没し、保有資産の売却によって当座の運転資金を調達しているという現実がある。

トップの万達集団(王健林CEO)は世界的有名人だが、保有してきた自慢のホテルチェーン、映画館チェーン、テーマパークの大半を売却した。それでも有利子負債は14兆円、本格的償還はこれから始まる。

万達集団の窮状をみかねたのか、これぞチャンスと便乗したのか、テンセント、融創集団、蘇寧雲商集団など四社が合計5800億円の出資に応じた。これで有利子負債を軽減し、不動産部門の子会社の上海株式以上への再上場を狙うという。

創業者の陳峰氏

王岐山との深い関係が取りざたされた「海航集団」も、海外企業の買収案件はほとんどが頓挫した。いや、そればかりか、借入金の償還を間近にひかえて資産売却を加速化させている。こちらも参考に。

海航集団は昨年購入したばかりの香港の一等地を、香港デベロッパー第二位のヘンダーソンランドに売却する。
これは旧啓徳空港跡の宏大な土地を五区画にわけて、マンション群を建てるという香港の都市計画。海航集団は、このうちの四区画を購入していた。
こんかい背に腹は代えられないとばかりに貴重な二区画を売却する。購入時の価格は143億香港ドル。売却は160億香港ドル。売却益がでるが、この間の利息支払いと差益への課税が控えている。

絶好調と言われ、日本のシャープを買収し、ついでにCEOの郭台銘が訪米してトランプ大統領とも約束した鴻海工業とて、米国への大工場建設が法螺話におわる可能性なきにしも非ず。
というのも鴻海の株安が止まらず年初来20%の値崩れを起こしている。

 ネット動画配信の大手「樂視」の株安も止まらず、上場時の株価の三分の一に陥没、米国のEV工場建設という強気の投資が裏目にでたといわれ、主力部門の売却に迫られている。
ほかにも事例を挙げれば再現がないが、ことほど左様に中国の多くの新興成金たちの壮大な夢も邯鄲の夢となりつつある。

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